サポート情報(FAQ)
素材について
Q.鉄材の種類について
SS材(一般構造用圧延鋼材)
種類:
・
SS400など
特徴:
1 強度と溶接性: 強度が高く、溶接性にも優れているため、建築構造物、橋梁、機械部品などに広く使用されます。
2 汎用性:非常に汎用性が高く、比較的安価で入手しやすい。
3 加工性: 熱処理を行わなくても良い強度があるため、加工が容易です。
用途:
・建築構造物
・橋梁
・一般機械部品
・
鉄骨構造物
SPC材(冷間圧延鋼板)
種類:
・
SPCD, SPCEなど(JIS G 3141)
特徴:
1 高精度: 冷間圧延により、表面が滑らかで寸法精度が高い。
2 良好な成形性: 薄く均一な板状に加工できるため、成形性が非常に良い。
3 耐食性: 亜鉛めっきや塗装などの表面処理がしやすく、耐食性を向上させることができます。
用途:
・自動車部品
・家電製品の筐体
・事務機器
・建築材料
比較
用途: SS材は建築構造物や機械部品に多く使用される一方、SPC材は成形性が求められる製品(自動車部品や家電など)に使用されます。
・加工方法: SS材は熱間圧延、SPC材は冷間圧延で製造されます。
・特性: SS材は高強度と溶接性が特徴、SPC材は高精度な寸法と優れた成形性が特徴です。
このように、SS材とSPC材はそれぞれの特性に応じて適切な用途に使用されます。
鉄材は安価で加工しやすいため、幅広い分野で活躍します。
Q.ステンレス材の種類について
ステンレス鋼(SUS材)
種類:
・オーステナイト系: SUS304, SUS316
・フェライト系: SUS430
・マルテンサイト系: SUS410
・デュプレックス系: SUS329J3L
オーステナイト系(例: SUS304, SUS316)
特徴:
1 耐食性: クロムとニッケルの含有量が高く、優れた耐食性を持ちます。特にSUS316はモリブデンを含むため、さらに耐食性が向上しています。
2 非磁性: 基本的に磁性を持たないため、磁性を避ける必要がある用途に適しています。
3 加工性: 冷間加工性が良好で、溶接性にも優れています。
用途:
・化学プラント
・食品加工設備
・医療機器
・キッチン用品
フェライト系(例: SUS430)
特徴:
1
耐食性: クロムを主成分とし、オーステナイト系ほどではないが、優れた耐食性を持ちます。
2 磁性: 磁性を持つため、磁気が必要な用途に適しています。
3 価格: ニッケルを含まないため、オーステナイト系に比べて比較的安価です。
用途:
・
家電製品の外装
・自動車部品
・建築装飾材
マルテンサイト系(例: SUS410)
特徴:
1 強度: 高い強度と硬度を持ち、耐摩耗性にも優れています。
2 磁性: 磁性を持ちます。
3 耐食性: 他のステンレス鋼に比べると耐食性は劣りますが、適切な熱処理で改善できます。
用途:
・刃物
・バルブ部品
・シャフト
デュプレックス系(例: SUS329J3L)
特徴:
1
高強度: オーステナイト系とフェライト系の特性を併せ持ち、非常に高い強度を持ちます。
2 耐食性: 優れた耐食性を持ち、特に応力腐食割れに対する耐性が高いです。
3 耐摩耗性: 耐摩耗性にも優れています。
用途:
・石油・ガス産業の配管
・化学プラント
海洋構造物
比較
・耐食性: 一般的にオーステナイト系(SUS304, SUS316)が最も優れています。
・強度: デュプレックス系(SUS329J3L)が高強度であり、マルテンサイト系(SUS410)も強度が高いです。
・加工性: オーステナイト系は冷間加工性と溶接性に優れています。
・磁性: フェライト系とマルテンサイト系は磁性を持ちますが、オーステナイト系は基本的に非磁性です。
それぞれのステンレス鋼は、その特性に応じて適切な用途使用されます。用途に応じて適切なステンレス鋼を選定することが重要です。
技術関連
Q.磁石につかないはずのステンレス304がくっつくことがあるのはなぜですか
A.ステンレスは鉄を主成分にしています。鉄にクロムとニッケルを加えた304の結晶構造はオーステナイト系ステンレスと呼ばれ、
自由な電子を持たないため磁石には付きません。
曲げ加工などの力を加えると一部の結晶が崩れてマルテンサイトの結晶構造にかわり磁石につくようになるようです。
マルテンサイト構造では電子が動き回れますので磁石につきやすいと言われています。自由な電子はミニ磁石のような働きをします。
レーザー加工関連
Q.クリーンカットとはなんでしょうか
A.通常のレーザー切断はアシストガスに酸素を使ってます。
これを窒素ガスに変えることにより切断面に黒いこげがでるのを防ぐことが出来ます。
ステンレスはほぼ全てクリーンカットにより切断しています。
理由は酸素やエア切断ですとクロムと酸素の化合物がドロスとなってでてきてしまうからです。
Q.YAGレーザーとはなんでしょうか
A.Y イットリウム A アルミニウム G ガーネットの合金を発振器に利用したレーザーです。
弊社のYAGレーザーは切断用ではなく溶接に用います。
TIG溶接に比べ歪みを少なくすることが可能ですが、加工できる材質はステンレス2.0mmまでに限ります。
理由はTIGやアーク溶接に比べ溶け込みが浅いため鉄や厚物ですと取れてしまうためです。
Q.発注から納品までどのようになっているのでしょうか
A.最短ですとCADデータまたは図面をお客様から弊社に持ち込んでいただき、その場で作業員がレーザー用加工プログラムを
作成、といったケースがございました。切断のみの小物なら30分程度で加工可能ですが、メールを送っていただければお見積りいたします。
なお回答にはお時間をいただきます。予めご了承ください。